学校訪問の記録

中学生・高校生の2人の子供(女子)達の父親である私の学校訪問を記録するブログです。意見・感想は私個人のものです。(文中敬称略)

201705 サレジオ小学校 学校説明会

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東京には主に3つのエリアがあります。23区、多摩地方、島しょ部です。今回は東京は多摩地方にある、森に囲まれた私立小学校に行ってきました。平日の説明会とは違って土曜日の開催。在校生は不在です。普段の様子は見られませんが、校内をじっくりまわることは出来ました。

 

 

最寄駅からの移動

午前中は都心のとある学校の説明会に行っていたので、そこからJR中央線の中央特快などを乗り継いで国分寺駅まで移動しました。

JRの最寄駅は中央特快が停車する国分寺駅または停車しない武蔵小金井駅です。どちらも駅からバスに乗ります。

土曜日の昼頃でしたが、そこそこ混んでいましたね。

国分寺駅の北口からバスで、学校の最寄りのバス停まで移動しました。バスを待つ列にお受験風のスーツ姿の家族がいました。この日この時間、このような格好だと行き先は同じと言っていいでしょう。(そしてその通りでした。)

上履きは不要で服装も多種多様な説明会

緑が多くある地域にある学校。

説明会は食堂でありました。上履きは一切不要。外履きのまま食堂にも入られました。

(在校生は教室では上履き必要。)

スーツ姿でもノージャケットの父親や、小綺麗(ビジネスカジュアル=クールビズ)な格好の父親もいました。いずれにしても小学校お受験はやはり夫婦揃ってが多いですね。付き添っている園児のみなさんも、ポロシャツと紺色のハーフパンツ(男子の場合)などいわゆるお受験風な格好がいました。でも、ほとんどの参加者が普段着(カジュアルだけれど「ラフ」ではない)でした。

参加した幼児が遊べる校内見学

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学校の印象は総じて良かったです。

緑多いキャンパス。

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特色は聖ドン・ボスコの教育方針。あとは自然のびのび。

見学が途中から自然解散になったので、放送が入り、6年教室前に集合してから体育館、音楽室と講堂へ他の参加者のみなさんと一緒に見学。そしてまた解散。

その後は自由遊び時間や個別質問タイム。

普段着で参加出来そうな雰囲気の学校。和光や明星学園のような雰囲気を感じましたが、政治的な話は一切なく、この点が大変な好印象でした。

自由ですが、それは規律がある(ような)自由である気がしました。自由学園で感じたことと同じでしょうか。自由=何をしてもいい、と言うことではないわけですね。

校舎の存在感があるようでいて、自然と調和しているので違和感が全くない=森の学校と呼べるのだと思います。

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小学校の校舎と庭のような校庭(校庭=土・人工芝・自然の芝生の構図が崩れます・・・どこかのお宅の庭のイメージです。)。

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日本にある学校なのだけれども日本とは思えない場所。(注:ここは東京です。)

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個人的にはコンクリートでなくて木造であれば、もっと自然と一体化出来たのかもしれないと思いました。

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この日は小学校の児童のみなさんも同じ敷地内にある中学校の生徒のみなさんも週末で不在でした。

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学んだり、遊んだり(特にここ)している様子が見られれば、自由自然な感じがもっと伝わってきたのかもしれませんね。そう言えば、体育館で中学の男子生徒のみなさんが、あればバレーボール部だと思いますが練習していました。そのため体育館には入られませんでした。

2年生は全員バイオリンを習う

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音楽室と講堂には入られました。音楽室はまあごく一般的な教室でしたが、緑が多く教室棟はつながっていない所にあるので、とても静かな環境にあると思いました。ちなみに2年生は全員バイオリンを音楽の授業で習います。音楽室にたくさんあるので、購入する必要はありません。

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電子ピアノがあり、カバーを開けて鍵盤を少しだけ押してみました。ちなみに木琴をひたすら叩く園児さんもいたので、音楽室の見学も相当自由でした。音が結構すごかったですけれどね(笑)。

児童から見える職員室・職員室から見える児童の様子

講堂は小学校の教室棟(家?)と同じように建築的に興味が湧きます。

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事務棟と中学棟の間にある、正面には中庭、背面には森があるような静かな場所に建つ(表現が乏しくて申し訳ないけれど)玉ねぎや肉まんのような形をした建物が講堂です。写真の左手に職員室があります。前方は説明会があった食堂です。どの方向から見ても、中庭で遊ぶ児童の様子がよく見えるので安心ですね。

図工室と思われる教室もありましたが、外から見ただけで見学も説明もなかったです。

図書室や放送室、児童会室も見学しました。いずれも小部屋ですが、図書室も建築的な意味で興味深いです。少し照明が暗い気がしましたが、木製のテーブルと椅子があり、ここも講堂と同じように多角形だったと思います。

学年教室は「家」

学年教室も一部を見学しました。教室と言うよりは、「家」ですね。児童は上履きに履き替えるそうですが、この日は外履きのまま中へ。

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明るすぎず暗すぎず、採光もよく考えられています。ここも(図書館や食堂と同じで)木製の家具が使用されています。机も椅子も本棚も大きな作業テーブルも全て木製。白板はなく黒板(緑板)ですね。いわゆる電子黒板はありません。教室の中から見える校庭の景色も最高でした。

聖人に見守られて

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上の写真は聖ドミニコ・サビオの像です。このミニ広場はドミニコ広場と呼ばれています。こちらの聖ドミニコ・サビオについては、同じサレジオ会が運営する神奈川のサレジオ学院中高のサイトに分かりやすい説明が書いてあります。

www.salesio-gakuin.ed.jp

撮影についてはアナウンスが一切ありませんでした。実際に撮影している参加者は極少数だったと思いますが・・・。

先生方は話しやすく気さくな感じ。

食堂での説明が長かったですね。学校側からの全体説明は結構早く終わりましたが、その後の参加している保護者からの質問が多く、そこは改善の余地があるように思いました。

なんでも答えてくださる説明会

(見学のレポートと前後しますが、ここから説明会の内容を詳細に書きます。長い、ですが、教頭先生がおっしゃっていた通り、なんでも答えてくださりました。)

受付は男女の先生方。

食堂に入ると、スライドショーで、年間行事を上映していました。

参加家族は31から32組くらい。

パワポあり、レジュメ配布なし。

校長先生のご挨拶とお話からスタート

1、暑い日ですが、こんなに暑くなるとは思いませんでした。

2、「サレジオとは」:世界132カ国にあるカトリック教育修道会(1859年設立)。学校や教会などの活動をしています。

3、「サレジオの教育理念」:「親しみがなくては愛情が示せません」

「アシステンシア」:近くにいて同伴すること。甘やかすことやベトベトすることではありません。

4、「Amorevolezza」

①伝わる「愛情」:伝わらなければ意味がありません

②「Ragione」(道理):本人の理解を求めること

③「Religione」(宗教):人のそばにいる神の存在。組織としての家族ではなく、目に見えないけれども私たちと一緒に居てくれる存在です。そう言う感覚(センス)のことを、私達は神様と呼んでいます。英語で言うと「Something great」と呼ばれています。決まった言葉や形も祈りにありますが、祈りの心が大事。

④「サレジオの特徴」

1、自然

2、教育の親しさ

3、のびのび:「のびのびしすぎかな」と先生。

4、思いやり:(6年生が修学旅行で千羽鶴を奉納しますが、下級生と一緒に鶴を折っている様子の写真が上映されながらの説明)

5、基礎学力:特殊なカリキュラムはありません。公立小学校とほぼ同じカリキュラム。教員と児童の関係が近いので相乗効果で学力が上がります。

6、喜び:学校中に笑顔があると思います。そうではない時もあることはあるけれども、全体が笑顔でいられるよう目指しています。

(余談:ここで私の足元にアリがやってきて驚いた!)

Q:「本当に幸せになるために大切なことは?」

A:「自分は大切にされていると実感することです。」

お金があるとかそう言うことではありません。

一番大切なのは、子供自身が自分は大切にされていると実感できること。

(外では受付の男女の先生方が、参加園児たちに対応している。男性の先生は紙を折ったり、女性の先生は鉛筆を削ったりしている。ほのぼのとした雰囲気。)

「自分は受け入れられていると分からなければなりません」とは聖ドン・ボスコの言葉。

「サレジオはお手伝いしたい。人々の中で、神様の前で、いつも幸せであるように」の言葉で、校長先生のお話は終わりました。

続いて教頭先生のQAコーナー。学校生活や学習について、なんでも聞いてくださいとのこと。(入試については後ほどとのこと)

 

1、母親よりQ:バス通学について。帰りの訓練はありますか?

A:1年生では、1/3が徒歩、1/3がバス、1/3が電車も利用。

1年生は入学後1ヶ月間くらい、昇降口まで、正門までのお迎えが何日かそれぞれあり、学校から最寄りのバス停まで担任や教職員が付き添って下校を練習します。(ほとんどのバス利用者は、情報通信研究機構前のバス停を利用。)

 

2、母親よりQ:学校のホームページを見ました。幼稚園があるようです。系列の幼稚園のようですが、こちらからの入学は多いですか?

A:足立区、目黒区、町田市に系列の幼稚園がありますが、どこもここから遠く、入学する子はほとんどいません。たまに足立区に住んでいて、こちらの方に引っ越されて入学される子はいますが、すごく稀です。

「本校に幼稚園があればヒジョーーーーーーーーにいいが(ない)」と教頭先生の言葉に会場から笑い。

 

3、父親よりQ:中学校についてですが、女子は公立に進学しますか?系列にですか?

A:中学は男子校です。

まず、小学校は1学年22名の小規模校です。11名で男女の数を均等にしたいのですが、年度によってバラツキがあるので、必ずしもそうなりません。ちなみに1学年の最大定員は30名です。

サレジオ小学校から中学校に進学を希望する場合は、受験をしますが、一応の入試点数目安は80%です。

サレジオ中学校の後ですが、高等専門学校が町田にありますが、系列校ではなく姉妹校なので、小学校から卒業していく男子は、他の私立中学校を志望したり、サレジオ中学校から卒業しても私立高校を志望する児童・生徒がいます。

女子の進学は悩みです。公立が1/3、都立中高一貫が1/3、私立が1/3くらいです。私立受験でこだわりがあれば、塾などに通っている児童もいます。

 

4、父親よりQ:中学校が共学になる可能性はありますか?

A:こちらのご質問は説明会で毎回いただきます。在校生(女子)からも毎年のように問い合わせがあります。法人理事会が決定する事項になりますが、現在のところ実現はしていませんし、今後も不明です。

 

5、母親よりQ:電車通学で時間の制限はありますか?

A:以前は片道1-1.5時間の条件がありましたが、現在そのような条件はなく、保護者さんが各自で判断していただくようにしています。

在校生では、遠くて中央線ですと上り方面で中野、下り方面で八王子・西八王子です。西武線ですと、上り方面で野方、下り方面で所沢、拝島方面もいます。

以前は横浜の青葉区から通学していた児童もいました。(その児童はその後学校近くに引っ越したそうです。)

 

6、父親よりQ:在校生で掃除をしていますか?

A:6年生が1年生の教室を掃除しています。2年生から当番制で自分の教室や共有部分を掃除しています。

 

7、母親よりQ:学年22名と言うことですが、先生の体制は?

A:基本的に先生は学年に1名です。担任の先生と言うことになります。毎日の終礼で、学年の担任が他の教員と情報を共有して、意見を交換して対応しています。

 

8、父親よりQ:授業で子供が自分でテーマや学び方を議論する機会はありますか?

A:例えば、体育祭では表現や団体競技があり、そこで何をしたいかは児童同士で話し合います。5-6年生のマスゲームは毎年「平和」がテーマですが、その物語を作り、表現していくのは子供達です。

同じ父親より追加Q:文化祭とか以外で?

A:各学年では4-5つの班を作って活動しています。班で考えをまとめたりすることもあります。教科の授業をこの形式でやることがあります。

 

9、父親よりQ:PTAはありますか?

A:PTAはありません。PTAを作らない方針をずっと貫いています。

その代わりに学校独自の保護者の集まりの「杜の会」があります。「杜の都の杜です」と教頭先生。

例えば文化祭では、弁当がない代わりに模擬店を運営して飲食物を提供しています。

(本校には給食がなく弁当を持参します。)

この「杜の会」の運営にあたり、学校と3つの約束を交わしています。

①聖ドン・ボスコの教育理念に沿うものであること

②(仕事などで忙しいのに保護者が)学校に通うようにしないこと

③派閥などセクショナリズムが形成されないようにすること

この約束事は、まだ1-3年生しかいない時代に、当時の校長先生が提示されたものです。

結成後しばらく様子を見ていましたが、学校から活動にストップをかけて、「杜の会」が活動を2年間停止させたことが過去にありました。その間は学校の教職員が模擬店を運営しました。

最近PTAの活動がニュースになっていますが、「杜の会」は各学年2-3名で、立候補制なので強制はありません。

 

10、母親よりQ:入学から1ヶ月間の送迎ですが、共働きの場合はみなさんどうされているのでしょうか?学童はありますか?

A:共働きだから入学を受け付けないと言うことはありません。

ご夫婦でやりくりしたり、祖父母、親戚、友人に協力をお願いしている児童もいます。

シッターを雇われている方もいます。色々なパターンがあります。

学童はありません。地域の学童に通っている児童はいます。

 

11、父親よりQ:放課後に遊んでから帰宅するのですか?

A:公立のように、帰宅してから地域の子供達と遊ぶ機会は少なくなります。(通学時間の関係もあるため)

校庭開放があります。

3-10月:午後4時まで遊んでいい

11-2月:午後3時半まで遊んでいい

1年生の1学期は学校に慣れるため、午後2時半下校が基本です。2学期からは校庭開放OKです。

***続きはまた後日追記します。***

 

 

 

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まとめの感想

訪問を終えて。午前中と午後に同じキリスト教ですが宗派の違う、入試倍率も違う、同じ東京にあるけれども対照的な地域の学校を見学した一日でした。そして思ったことは、どちらも子供が主体と考えている教育をしているということ、キリスト教をベースにした宗教教育をきちんとしていると言うことでしょうか。どちらの学校も校舎が特徴的で、「緑」が取り込まれていること、「円形」をキャンパスに取り込んでいる点でも共通点があると思いました。暑い日でしたが、どちらも訪問して良かった学校、また行きたい学校だと思いました。

 

 

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20200308画像貼り付け&構成と文章一部加筆修正
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