学校訪問の記録

中学生・高校生の2人の子供(女子)達の父親である私の学校訪問を記録するブログです。意見・感想は私個人のものです。(文中敬称略)

201507 瀧野川女子学園中学高等学校 学校説明会

1

JR京浜東北線の上中里駅から徒歩3分もかからないような所に、今回訪問した瀧野川女子学園があった。学校の横には、東北新幹線のレールがあり、南の方には、東京スカイツリーが見えた。説明会開始までちょっと時間があったので、付近を探索したが、小さなスーパーはあったが、コンビニが見当たらなかった。そのため、学校の前の歩道橋を歩いて時間をつぶした。

2

4

歩道橋を渡ると、東京スカイツリーがさらに良く見えた。

5

学校の横を走る新幹線。

3

そろそろ予定の時間だったので、学校へ移動して、受付をした。説明会の会場は、7階の会議室だった。エレベーターを使って移動した。

参加者は、10組以上は、20人強だったかな。事前情報によると、説明会のみだということだった。今回は家族で訪問した。下の娘にはまだ教育内容などは退屈だったようだが、上の娘は全体を通して聴いていたようだった。プレゼンのテンポが良く、聴き心地が良かったからだと思う。PowerPointスライドをリモコンのようなもので操作して、リズムがあり、満足度が高いプレゼンだった。所々生徒が登場するのも高評価のポイントだ。

さて、説明会の具体的な内容だが、校長挨拶からスタートした。

学園の歴史を、スライドを使ってプレゼンがあった。創立者は、自宅の2階を使って、24人の生徒でスタートしたそうだ。

最近では東大合格者を出したそうで、進学実績の向上にも力を入れている。女性の力をつけることが大切とのことだった。色々と改革を進めているそうだ。

制服の変更もそのうちの1つで、徐々に変更を進めてきたが、来年度からは全学年が同じ新制服になる。ブラックフォーマルの色合いで、いわゆる男性の色に近いそうだ。ここで、皆の前に、生徒が2人モデルとして立った。ジャンパースカートで、洗濯が楽だそうだ。ボレロの利点も挙げていた。私の娘達も興味津々でじっと集中して見ていた。ちなみに制服は高価な物だが、倉敷の生産者と直接取引しているため、2万円のコストカットを実現した。安心・安全な取引をしていると語っていた。コスト意識が学校経営者にあるのは素晴らしことだと思った。

続いては、副校長挨拶。

校長の制服の話の続きとして、ダイヤモンドカーボンをスカート1本ずつ加工しているそうで、UVカット加工も、椿油での加工もされている。これらも生産者と直接取引をしているおかげで、低コストで実現しているそうだ。

ここからは教育内容の話があった。

創造性教育についての話があり、2020年はどんな世の中になっているかという話。
まず、オリンピックが東京で開催されて、外国人とは当たり前のように共に暮らしている。

PCなどのテクノロジーが、新しい筆記用具になっている。これについては、iPadを用いてプレゼンを行っているほか、MacBookも使用しているそうだ。今はまだ存在しない仕事に40-50%の生徒が就くだろうという話もあった。

大学入試が変わる。学力だけでなく、生徒が何をしたいのか、何を学びたいのかに合わせた教育になっているだろう。この変革をチャンスと捉えているそうだ。

創造性とアントレプレナーシッップ(起業家精神)が重要になってくる。トレーニングを受ければ、誰でも身につけられるスキルであり、身につけるために大切なことは何か?それは、好きなことを見つけることが一番大切であると当校では考えていると話していた。その好きなことに、いかに没頭出来るかが大切だし、上達するかしないかのポイントでもある。その人ならではの社会貢献をして欲しいと話していた。

では、この好きなことをどうやって見つけるのか?それには2つの方法を挙げた。
まず、勇気を出してやってみること。海外でのホームステイ体験もあるし、部活動もあるし、頻繁に行っている校外学習もあるそうだ。校外学習については、体験を重視しているとのことだった。

次に、思いを形にして共有する。言葉やアイディアにして伝える。当校では、生徒がApple Storeでプレゼンを行う機会があったが、日本人もトレーニングや経験を積めば、人前でも堂々とプレゼンが出来るようになると実感したそうだ。中学1年から発表をする機会が多く、自信がつき、発表する行為が快感になる。

学年別の具体的な取り組みを紹介していた。
中学1年では、直接行ける身近な街へ行き、チームになって、理想の街を考えて模型を作るそうだ。
中学2年では、プログラミング、ICT、創造性教育の3つを組み合わせた学習を行っている。
中学3年では、TED Talkのようなプレゼンをやってみる。
高校1年では、商品コンペを実施して、実際の企業の本社へ行くそうだ。今年もこの翌週にある企業の本社へ行くと話していた。
高校2年では、新しい事業として、学園祭の企画を考えて実施してみると話していたかな。成果物が出来るし、大学入試対策にもなるそうだ。

ICTへの取り組みについての話があった。
全ての新入生には無料でiPad2 Airのauセルラーモデルが支給される。Appleとコラボしていると話していた。通信料は無料で、月額1,500円で利用出来るそうだ。Google Appsを利用して、資料の共有などに利用しているとのことで、高速wifiも利用出来る。校内では、ユーザー数が1,000を超えてもネットワークがダウンしないための光ファイバーが敷かれているそうだ。

続いて、校外学習についての話があった。
留学は費用が高いのがネックで、いきなり行くのには語学のハードルが高い。そのため、British Hillsを利用しているそうだ。当校からバスでは2-3時間。ネイティブがゆっくりと会話してくれたり、スコーンをネイティブと一緒に作るワークショップがあるなど、海外体験が身近に出来る。中学1年の12月のクリスマス前に行くそうで、ハリポタに登場する食堂のような所で食事をとったりする。施設内でネイティブが販売員を務めるキャンディーショップが人気で、英国風キャンディーを英語で購入することが出来る。生徒にとっても楽しいもので、長蛇の列が出来るそうだ。
奄美大島への校外学習も行っているそうだ。ここで実際に体験した生徒3人からの話があった。楽しそうに、ノートを回しながら話していた。スライドや動画も用いしていた。学習の内容だが、食事やカヌー体験などを通じて、自然を体験して、共生や伝統について学ぶそうだ。食、住、自然。この3つが一体化しているのを体験する。奄美出身の歌手で有名な、元ちとせの師匠から習ったそうだ。

さて、高校2年で海外へ行くが、今年度からハワイに変更した。ハワイ島に2泊、オアフ島に3泊。東南アジアに比べて風土病などがなく、米国内でも治安が安定していて、日系人を含む多民族の住民が暮らしていて、医療面も安心出来るとの理由で、ハワイを選んだとの話だった。

英語学習についてだが、ALTが2人校内に常駐している。放課後に無料で受けられる英会話クラスがあるそうで、今年8月には追加で2人が来日して常駐する。これらALT教員は、バスケットボールなどのクラブ活動時もいる。逆に生徒が海外へ行くことについてだが、8月に生徒20人程度が、姉妹校がある米国ポートランドへ行くそうで、そこで学習しても、当校の単位として認められるそうだ。

和の心についても話していた。国際化しているこそ大切だと強調された。中高6年間で、礼法、茶道、華道を学ぶそうだ。

ここで、数学科主任教員から、学習指導についての話があった。勉強の楽しさを伝えることが大切。1つでも知識が抜け落ちると分からなくなり、それが積み重なっていくと「つまらない」につながっていくが、そうさせたくないと話していた。「分かる」が「楽しい」につながり、「学力」につながっていく。これが勉強が身につく流れだそうだ。

1クラス約30人の生徒がいるそうで、今年は29人。それを14人と15人の2つに分けて、「分からない」をなくす授業を行っている。定期テストの2週間前から、前日に何を勉強したのかをを表にしている。自主学習ノートも活用していて、前夜に何を勉強したのかをみているとのことだった。

ここで興味深かったのが、学習の流れだ。例えば、方程式の学習だと、公立では中学1年から3年までバラバラで登場するそうで、それは1年前に観たドラマと同じで、なかなか思い出すことが出来ない。当校では、中学1年で、一次方程式から二次の応用まで一気にやるそうで、この流れの方が、生徒が理解しやすいそうだ。数学が得意な女子の皆さん、是非来てくださいとアピールしていた。

ここで学費など諸費用の話があった。iPad Air2の64GB auセルラーモデルの話があったが、3年使って新しいのに変えるそうだ。そして古いモデルは個人の物なので持ち帰ってもらうとのことだった。私が聞き逃したと思うが、端末自体は無料と言うよりは月額1,500円に含まれているのだろうか。
ハワイでの海外学習については、全てのオプションも含めて35万円で収まるよう交渉中との話だった。
講習等は全部無料で、合宿がある場合は実費のみだそうだ。ちなみに制服については、56,880円と、説明会では珍しく、一円単位で金額を話していたのが、好印象だ。お金については真面目なようで、それがしっかり伝わってきた。そして、寄付金などは義務ではないそうだ。授業料は月払いで、特待生制度もあるそうだ。希望する人は、この後の体験学習の後に相談してくださいと話していた。

「心を磨きなさい。夢は叶います」

この言葉で、説明会は終了した。

説明会が終わり、華道の体験学習になった。会場は、同じ部屋の後方。説明会の間に既に準備が整っていたので、すぐに移動して開始した。生ける花が用意されていたのは、小学生の受験生だけではなかったのに、感動した。私の下の娘、まだ幼稚園児だが、彼女の分も用意されていた。教員や生徒が助けに入り、娘達は笑顔で(試行錯誤しながら)華道を楽しんでいた。アットホームな雰囲気で、撮影も許可してくれたので、私も娘達の作品を撮影した。夏休みのいい思い出だ。生けた花は撮影後に包んでくださり、持ち帰ることになった。帰宅後も綺麗な花を飾っていた。

6

7

体験後は、個別相談へ。当日は基本的に全ての参加者が、個別相談の教室を訪れていたので、そのような流れになった。ここでも嬉しいことがあった。それは、小学生でもまだ厳密には「受験生」とは言えない学年の娘も、来年度受験するであろう女子として扱ってくれたことだ。そして、幼稚園児の下の娘も同席したが、優しく対応してくれた。せっかくなので、前述の説明会の終わりで話があった、特待生制度について質問してみたが、これは相当手厚い制度だ。具体的な金額や選ばれる基準などについて聞いてみたところ、かなり詳しく説明してくれたのが嬉しかった。

そして、生徒2人が我が家族を校内ツアーに案内してくれた。そのうちの1人は、生徒会長と言っていたような気がする。校舎が立つ場所の高低差が、小さい子にはキツイだろうと配慮してくれたので、この日は理科室などの一部の教室の見学はなかった。理由はよく覚えていないが、制服体験もあったはずだがパスすることになってしまった。これは上の娘が楽しみにしていたと思うので残念だった。見学は、ツアーというよりは、カジュアルな感じで、おしゃべりをしながら校内を散歩しているような、とても自由な雰囲気のなか行われた。パソコン室や食堂などを見学した。食堂は大きくはないが、当日は営業していて、そのまま食事をさせてもらいたい気持ちになったが我慢した。(それはそうだ)生徒達の通学圏や部活動など、興味深い話を沢山してくれた。この2人がどこから通学しているか、部活ではどこどこの大会で何位になったなど、この日説明会で初めて当校を訪れた私や家族と、オープンな感じで話をしてくれて本当に嬉しかった。会ったばかりの大人ときちんと会話が出来る2人だった。素晴らしい。

見学が終わり、我が家の「女子グループ」がトイレをお借りするというので事務室で聞いてところ、校長自らが出てきて対応してくださった。ただ単にトイレはここですと、場所を教えてくれるだけでなく、トイレの中まで入り案内してくださった。トップがあたたかい人間だと、教職員や生徒達にもそのあたたかさが伝わっている。そう思った。ちなみに、その後お聞きしたところ、小さい子が和式を使えるかどうか心配でトイレに入って使えるかどうか確認したかったそうだ。これこそおもてなしの心だと思った。

感謝の気持ちでいっぱいになり、(トイレもすませたことだし)瀧野川学園をあとにした。

8

帰りも上中里から京浜東北線を利用。また訪問したい学校だった。

 

#11

 

AD

にほんブログ村 教育ブログへ
にほんブログ村

© edutokyo.com 2016-2024
All Rights Reserved